免疫細胞治療とは
免疫細胞治療は体内にできたがん細胞に対して、患者さん自身の免疫細胞を体外で増殖・活性化してから、再び体内に戻し、がんと闘う治療法です。

免疫細胞治療の種類
当クリニックでは、治療に活用する免疫細胞の種類や培養方法が異なる4種類の免疫細胞治療を行っています。
個々の患者さんの症状・状態や、現在受けられている治療との併用効果などを考慮して治療法を選択し、患者さんお一人おひとりにとって最適な治療を提供します。

 

■樹状細胞ワクチン治療(DCワクチン治療)


※自己がん組織を用いる方法と、人工ペプチドを用いる方法があります。
 

樹状細胞(Dendritic Cell=DC)とは、体内でがん細胞を直接攻撃するTリンパ球に、がんの目印(がん抗原)を教え、攻撃の指示を与える免疫細胞です。
樹状細胞には、がん細胞のタンパク質が取り込まれると、それが樹状細胞内で分解され、患者さんのがんの情報(抗原)として樹状細胞に記憶されます。すると樹状細胞は記憶した抗原を表面に目印として出します(抗原提示)。それを患者さんの体内に戻すことで、「目印」を頼りにがん細胞だけを集中的に攻撃するTリンパ球(細胞傷害性Tリンパ球)を効率よく誘導することができるのです。
こうした、がん攻撃の「司令塔」ともいえる樹状細胞を用いて、がんをより効率的に攻撃することを目的とする治療法を、樹状細胞ワクチン療法(DCワクチン療法)といいます。
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■アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞治療)


がんに対する攻撃力がもっとも強い細胞のひとつであるTリンパ球を活性化、増殖させ、体内に戻す治療法です。Tリンパ球の多くはαβT細胞であるため、この名前がついています。
αβT細胞はがんも含めた異常な細胞全般に対して攻撃する免疫細胞です。よってこの治療法は免疫細胞の働きを総合的に高める効果があります。本療法は早期がんから進行したケースまで幅広く適用されますが、特に近年では、抗がん剤と併用することで、患者さんの体力や体調を良い状態で維持し、がんと闘う力を高める目的や、手術後の再発予防を目的とした使い方で、より効果を発揮しやすいと考えられています。

■ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)


Tリンパ球中に数%しか含まれていないγδT細胞を活性化、増殖させ、体内に戻す治療法です。
γδT細胞は、がん細胞など異常な細胞全般を多様な方法で認識して攻撃する免疫細胞で、特に一部の抗体医薬や、骨腫瘍・骨転移治療薬のゾレドロン酸を使っている場合などに、併用することで相乗効果が期待できま す。
 
≫ガンマ・デルタT細胞療法の詳細はこちら(瀬田クリニックグループHP)

■CTL療法


患者さん自身のがん細胞の特徴を、Tリンパ球に覚え込ませることで、そのがんのみを攻撃する免疫細胞(細胞傷害性Tリンパ球=CTL)を増やし、体内に戻す治療法です。
この治療は腹水、胸水などから、患者さんのがん細胞を入手できる場合に行えます。
 
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